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Apple、AI音声アプリHuxeの社員採用と技術ライセンスで合意

Apple、AI音声アプリHuxeの社員採用と技術ライセンスで合意

Appleが、パーソナライズされた音声コンテンツを作るアプリ「Huxe」を提供していたHuxe AIの一部社員に採用の申し出をして雇い入れる権利と、同社の知的財産の非独占ライセンスを受ける契約を結んだことが分かりました。Appleは2026年6月9日に欧州委員会へこの契約を届け出ており、デジタル市場法(DMA)の透明性データベースに載った内容を、2026年10月に9to5MacやTechCrunchが報じました。

EUへの届け出に書かれた契約の内容

契約の内容は、EUのデジタル市場法(DMA)の透明性データベースに「09.06.2026 Huxe」という項目で載っています。それによると、AppleはHuxe AI, Inc.の特定の社員に採用の申し出をして雇い入れる権利と、Huxeの知的財産権の非独占ライセンスを受けることになります。

EUへの届け出に書かれた契約の内容

同じ項目では、Huxeを「パーソナライズされた音声コンテンツを作るモバイルアプリを提供する」会社、Appleを「スマートフォン、パソコン、タブレット、ウェアラブル、アクセサリーの設計・製造・販売と、関連するさまざまなサービスの販売を行う」会社と説明しています。

TechCrunchによると、届け出には誰が採用の申し出を受けたのか、その人たちが受け入れたのかは書かれていません。Appleがこの技術をどう使うかも書かれていません。Notebookcheckは、届け出に金額の記載もないと伝えています。

会社は買わずに人と技術を取り込む 「アクハイア」

今回の契約は、Huxeという会社そのものを買収するものではありません。9to5MacとNotebookcheckは、大きな企業がスタートアップの主要な人材を迎え入れ、技術の一部を使えるようにしつつ、事業そのものは買わない「アクハイア(acqui-hire)」の形だと説明しています。TechCrunchは、この形を「リバース・アクハイア」とも呼ばれる取引として紹介しています。

会社は買わずに人と技術を取り込む 「アクハイア」

TechCrunchによると、リバース・アクハイアはここ数年で広がった手法で、大企業がスタートアップを丸ごと買収せずに主要メンバーを雇い、技術のライセンスを受けるために使われています。

米国ではこの種の取引に規制当局が目を向けています。9to5MacとNotebookcheckによると、米連邦取引委員会(FTC)のアンドリュー・ファーガソン委員長は、FTCがこうした取引を詳しく見ていくと表明しました。3月にはFTCと司法省が、アクハイアやリバース・アクハイア、非独占の知的財産ライセンスを伴う取引にも及びうる、合併前の届け出ルールの見直しを検討し始めています。

HuxeはNotebookLMの元開発者3人が立ち上げた

Huxeを作ったのは、GoogleのAIリサーチツール「NotebookLM」に携わっていた3人です。NotebookLMは現在「Gemini Notebook」に名前が変わっています。9to5Macによると、NotebookLMは利用者自身の資料をもとに質問に答えたり要約を作ったりする実験的なツールとして始まり、ポッドキャスト風の「Audio Overviews」や動画の要約、学習教材などを作れるAIリサーチアシスタントへ広がりました。

HuxeはNotebookLMの元開発者3人が立ち上げた

NotebookLMのプロジェクトリードだったライザ・マーティン氏は2024年12月にGoogleを離れ、同じNotebookLMチームにいたデザイナーのジェイソン・スピールマン氏、エンジニアのスティーブン・ヒューズ氏とHuxeを立ち上げました。

Huxeのアプリは、利用者のメールとカレンダーから毎日のブリーフィングを作るほか、特定の話題についてポッドキャスト風の会話を作ったり、ニュースやスポーツなどの話題について更新し続ける音声フィードを届けたりできました。2025年6月に招待制で正式に公開し、同年9月に誰でも使えるようにしたうえで、460万ドルの資金調達を発表しています。

2026年5月にサービスを終了、6月にAppleが届け出

Huxeは2026年5月21日にサービス終了を発表しました。TechCrunchによると、HuxeはWebサイトで、AppleとGoogleのアプリストアからアプリを取り下げ、サービスを止め、ユーザーデータを削除すると告知しています。9to5Macによると、サービスは5月28日に終了しました。

2026年5月にサービスを終了、6月にAppleが届け出

終了の告知でHuxeは、チームは新しいことに移り、製品の開発は続けないと説明しました。あわせて利用者に向けて、使ってくれたこと、友人に勧めてくれたこと、提案やアイデアを送ってくれたことで、一緒に作ってきたように感じられたと感謝を伝えています。

その後まもなく、Appleは2026年6月9日に欧州委員会へHuxeとの契約を届け出ました。TechCrunchは、Huxeの終了発表がSpotifyのAIによるポッドキャスト生成機能の発表の翌日だったことに触れ、Appleが自社のPodcastsアプリに似た機能を加えようとしている可能性を指摘しています。

Appleが2026年に進めるAI関連の案件

9to5MacとNotebookcheckによると、Huxeとの契約は、Appleが2026年に明らかにしたAI関連の案件として少なくとも4件目です。

Notebookcheckは、そのうち2件を挙げています。1月にAppleはイスラエルのスタートアップQ.aiを買収しました。Financial Timesによると金額は20億ドル近くで、Beatsに次ぐAppleで2番目に大きい買収です。Q.aiは、顔の皮膚のわずかな動きから、ささやき声や口の動きだけの発話を読み取る技術を開発しています。5月には、アバターのスタートアップAnimatoとも人材とライセンスの契約を結びました。

9to5Macは、今回の契約も、声や視覚などを通じて人とデバイスがやり取りする新しい方法を開発するAI企業を、Appleが買収やアクハイアで取り込んできた流れに沿うものだとしています。Notebookcheckは、メールとカレンダーから毎朝個人向けの音声ブリーフィングを作るHuxeのサービスが、利用者の個人的な文脈を理解するアシスタントとしてAppleが打ち出す「Siri AI」の考え方に近いと書いています。

Apple、AI音声アプリHuxeの社員採用と技術ライセンスで合意
Apple Inc.(以下「Apple」)は、Huxe AI, Inc.(以下「Huxe」)の特定の従業員に雇用の申し出を行い、採用する権利を持ち、Huxeの知的財産権の非独占ライセンスを受ける。
原文: Apple Inc. (“Apple”) will have the right to make employment offers to and hire certain employees of Huxe AI, Inc. (“Huxe”) and receive a non-exclusive license to Huxe’s intellectual property rights.
Huxeは、パーソナライズされた音声コンテンツを作る モバイルアプリを提供している。
原文: Huxe provides a mobile application that creates personalized audio content.
チームは新しいことに移ります。この製品の開発は続けません。
原文: The team is moving on to new things, and we won’t be continuing development of the product.

出典

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